受け入れ企業

葛城工業株式会社代表取締役 吉岡弘修

弊社は、創業約50年の金属製品製造業者です。初めての外国人技能実習生の受け入れは、2004年4月から中国人研修生3名の受け入れを開始してから約20年近くに成ります。

当時は、研修制度ということもあり、1年目は、残業をさせてはいけないなど、今よりも厳しい管理体制でありました。外国人の労働者に対しても日系のブラジル人やペルー人の派遣などは、活発ではありましたが、それ以外に外国人を雇用すると言うことに対して、一定の反発も有り、当初、社内の理解を得るのも大変でした。
只、社内の作業に於きましては、溶接工という特殊作業者の不足が慢性的に継続して問題となっていて、とにかく休まずに働いていただける人を雇用することが、最大の課題となっていました。そんな中、この制度の存在を知り、藁尾もつかむ気持ちで面接に参加し、中国人技能研修性を3名雇用いたしました。

当時、中国と日本の賃金差は10倍近く有り、3年働けば豪邸が立つという状況でした。1年目、8時間の労働時間を越えて、働かせてはならないとの規約もあり、研修生たちは、空いた時間を利用して、日本語勉強に励み2年目の年末には、3人揃って、日本語検定2級に合格し、日本人との会話においても何ら障害もなく、2年目以降は、残業や日本人が嫌がる、土日の出勤も進んでこなしてくれ、素晴らしい戦力に成ってくれました。
それから2年目、3年目と毎年3人づつ増やして行くことで、製造現場の生産は安定し、納期遅れや納入調整などは皆無となりました。
あれから約20年近くたち、現在40名近い、実習生が、毎日日々の生産を支えてくれています。当時の中国人からベトナム人に成り、そして現在は、インドネシア人の方も半数程度入ってもらっています。当時より賃金格差が、縮まり、為替も円安傾向の為、日本を選択する人もだんだん減っているように言われていますが、我々製造業においては、今では無くてはならない存在となり、外国人技能実習生がいなければ、製造現場は回らない状況に成りつつあります。少子高齢化により、今後益々、日本の労働人口は減り続け、この制度を生産の軸に於いて考えざるを得ない状況が来るのは、間違いありません。そう考えれば、彼らが3~5年間気持ちよく働いてもらう為の環境をいかに整えるかが、絶対条件となるかもしれません。

今後、この実習制度の内容の見直しなどもあり、ある程度の条件内での移籍なども可能になります。20年前と違い、どのような国から来てもSNSで、簡単に情報が入手できる為、昔の様な精神論や自社独自の理論を振りかざしても今の若い人たちが、考えることは同じで、少しでも楽に多く稼ぎたいとの思いから、常に条件の良いところを探している様子が伺えます。このような状況を考えれば、日本人の正規雇用と同じように常にコミニュケーションを取り、賃金面と福利厚生を少しづつでも充実させていかなければ、いずれ実習生も取れない状況に成るかもしれません。
実習生を雇用すると言うことは、以前の様に安い賃金で、長時間働かせられるというイメージがありますが、今は世界的に見て人権の問題からどんどん一般雇用に近づいて行っている為、休まず働いてくれる計算のできる人材として、我々受け入れ側もそれなりの覚悟と人権保護の精神をもって迎え入れてあげなければ、直ぐに移籍される危険性を見逃してはいけません。

受け入れ企業一覧

  1. 株式会社M.T.C

    信頼関係が生まれれば「受け入れを開始して良かった!」と胸を張って言える

  2. 葛城工業株式会社

    我々受け入れ側もそれなりの覚悟と人権保護の精神をもって迎え入れてあげなければならない

  3. ホンダ奈良自販株式会社

    褒めたり、叱ったり本当、自身の子供のように接しています

  4. 株式会社マエダシール

    彼らのおかげで安定した現場運営が出来ているといっても過言ではありません

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